日本のがん検診の受診率は、欧米などの先進諸国と比較した場合、かなりの低い受診率になるのが現状です。さらに、子宮頸がんに関しては、イギリス人の受診率は79%、アメリカ人の受診率は85%であることに対して、日本人の子宮がん検診の受診率はおよそ24%となっています。欧米と比較したときには、3分の1ほどの受診率しか受けられておらず、乳がんの早期発見が可能な乳がん検診の場合であっても24%ほどの受診率となります。日本政府ではがん検診の受診率を50%まで引き上げることを目標として掲げていますが、目標にはまったく届いていません。
現在では節目の年齢の方を対象として、乳がんや子宮頸がん、大腸がんの検診を受診できる無料クーポンを配布するなどの対策が行われています。検診を受けることはがんの早期発見に対して役に立つものとなりますが、すべての種類のがんを発見できる方法として確立されているわけではありません。白血病や悪性リンパ腫など、早期の症状があらわれてから進行状態に至るまでの期間が短いものについては、1年に1回の受診では対応できないことになります。それぞれの特定の方法によってがん検診を受けることで、早期の発見が可能になって、科学的に有効性が証明されているものは5つの種類のがんに限られています。
一次検診はスクリーニングと呼ばれるもので、健康的な人と少しでも症状が疑われる人とをふるい分けするものとなります。一次検診で異常ありの判定が出た場合であっても、即がんに発症しているというわけではなくて、その後に精密検査を受けることが結果が出ます。