最近どうも忘れやすくなった、という物忘れが心配な人は、認知症や脳の病気の可能性もあります。確かに高齢になれば誰でも忘れっぽくなるものです。病気によって起こる物忘れはこれとは異なり、急速に記憶が衰えたり、落ち込みや意欲が減退することも少なくありません。中には感情を失ってしまったようになるケースもあります。
人間ドックを受けるときには、専門的な脳ドックなども活用して精密に検査してもらった方が良いでしょう。物忘れの症状から考えられる病気には、アルツハイマー型認知症・脳血管性認知症・脳梗塞・脳腫瘍・うつ病・睡眠障害などがあります。人間ドックの検査では、頭部MRI検査が主流です。これはMRIを使って脳血管を観察する検査で、脳梗塞や脳出血などの病気の早期発見に効果的です。
MRIと言っても撮影方法がいくつもあり、多いところでは7種類ほどの撮影方法を行っていることもあります。通常のMRI検査では2~3種類の撮影方法が多いです。撮影方法が豊富なほど脳の状態を詳しく調べることが出来ます。脳のあらゆる病気に対して効果を出してくれる方法です。
人間ドックで異常が認められた場合、進行を抑えるために物忘れ外来などの利用が必要になります。特にアルツハイマーのような老年病と言われている症状に対して、血液検査や問診などと合わせて治療を行っていきます。アルツハイマーは若年性のものもあるので、若いからならないという訳ではないことも心に留めておきましょう。